クラウドファンディング市場、今年度3割伸び!大手企業も積極活用

矢野経済研究所(東京・中野)によると、国内のクラウドファンディング市場は、16年度も前年度比3割増の477億8700万円に達すると予測。
与信管理を重視する銀行では融資が難しい事業を実現したり、商品化の前に需要を見極めたりできるため、個人や中小企業だけでなく、大手が積極的に活用する例も目立つようになってきました。
(参照:日本経済新聞)着実に規模を拡大するクラウドファンディング
2015年度クラウドファンディング市場(新規プロジェクト支援額ベース)は363億3400万円で、14年度と比べ7割近く増えており、ここ2.3年で一気のその名を浸透させました。
インターネットを通じて個人が小口投資できる利便性の良さと、過去3年貸し倒れのない運用実績が実を結んだカタチになります。
新規業者の台頭でより良くなるか

この市場拡大の波に乗るように、今国内では次々に新規クラウドファンディング業者がスタートしています。
現状、手数料は20%前後が一般的ですが、業者の競争によりこの手数料がどこまで下がるかが見所です。昨年には、国内大手のCAMPFIREが手数料を一気に5%に引き下げたことも記憶に新しいですよね。
リスクを抑えてミドルリターン・ハイリターンを狙えるのがクラウドファンディングの魅力でもあるように、無闇に利回りの高い商品を連発し、リスキーな投資になるのは業界としても避けたいところ。
いかに手数料を下げるかがやはり競争のキモになりそうです。
懸念される落とし穴、リスク

栄枯盛衰 ー栄えるものに衰退があるように、一気に市場が拡大してしまうと、思わぬ落とし穴に陥ることが世の常です。
結果的には何事もありませんでしたが、金融庁の検査が入った業者もあります。
昨年には、クラウドキャピタルマネジメントという会社がクラウドファンディングを装った詐欺で摘発されるなど、盛り上がる影には悪質な業者も蔓延ります。クラウドファンディングに限らず、ビットコインなど新しい投資には、より投資家のリサーチとリテラシーが求められるでしょう。
クラウドファンディングはスタンダードな投資に成りうる
懸念材料について述べましたが、クラウドファンディングがこうまでも市場を拡大できる要因は、やはり魅力的な投資商材ということが最も大きいでしょう。
ローコストかつローリスクである程度の利回りが期待できる投資商材において、クラウドファンディングの右に出るものは現状ないと言えます。社会貢献や企業応援の色も強く、満足感が得られるというのも大きな魅力。
株式型クラウドファンディングもようやく解禁され、さらに盛り上がりを見せる国内クラウドファンディング市場。ますます目が離せません。